K822 LOTUS TYPE 88B 1/12scale Fulldetail Kit
1981 Rd.9 British GP #11 Elio de Angelis / #12 Nigel Mansell
[ LOTUS TYPE 88Bについて ]
F1ロータスチームオーナー兼デザイナーであったコーリン・チャップマンは、1970年代に強力なダウンフォースをボディ形状によって発生させるグラウンドエフェクトカーであるLOTUS78や79で成功を収めます。しかし、チャップマンは、度重なるグラウンドエフェクトカーの事故に起因する1981年のF1レギュレーション変更(グラウンドエフェクト効果を減少)に相対する必要に迫られます。常に技術革新を追求していたチャップマンが新レギュレーションに対応したマシンとして81年のグランプリに登場させたマシンが"LOTUS TYPE 88"です。
チャップマンは、チーフデザイナーのM.オグルヴィーと空力のスペシャリストであるP.ライトと共に、”ツイン・シャシー”というコンセプトを具現化することを思いつきます。”ツイン・シャシー”とは、モノコック部分の”セカンダリー・シャシー”と、ウイングと一体になったサイド部分とボディで構成され、グラウンドエフェクトを発生させるためのシャシー、”プライマル・シャシー”に分離、相互をサスペンションで連結するといったアイデアでした。この構造は、速度上昇とともにダウンフォースが発生しカウルが沈み込み、強いグラウンドエフェクト効果を生むことを可能にしました。また、モノコックは旧来のアルミハニカムではなく、カーボン・コンポジット製となり、F1マシンにカーボンモノコックを採用した最初期の例となりました。
こうして新レギュレーションに挑んだチャップマンの野心作、LOTUS TYPE 88は81年の開幕戦に参戦します。しかし、車検はクリアしましたが、FISA(国際自動車スポーツ連盟)によってレギュレーション違反として出走を禁止されます。その後改良を加えた"TYPE 88B"で第8戦イギリスGPに挑みますが、そこでも出走禁止を言い渡され、チャップマンは88型の投入を諦めます。
技術者として、自分には技術革新を追い求め、それを実現する権利がある、と強い信念を持っていたチャップマン。しかしこの88型の挫折により、F1への情熱は薄れ、彼の興味は超軽量航空機の設計に向かいます。そして翌年の82年12月、チャップマンは54歳という若さで急逝します。常に技術革新を追い求めていたチャップマン、彼が亡くなったその日も、グラウンドエフェクトカーに代わるダウンフォース獲得への新技術として、”アクティブサスペンション”搭載のLOTUS TYPE 92がテストされていたのでした。